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第126回 ねむれない、そんな夜に

「よぞらをみあげて」 ほるぷ出版 2009年2月発行 32ページ
ジョナサン・ビーン/作 さくまゆみこ/訳
原著「At Night」 Jonathan Bean 2007年

ベッドに入ったけれど、眠れない。父さんも母さんも、妹や弟たちも眠っている。穏やかな寝息が聞こえてくる。
なのに、わたしは目がぱっちり。うわあ~明日は早起きしなきゃならない、なんていうときだとかなり辛い状況ですね。
夜風に誘われて、屋上にでた女の子。そうそう、こちらのお宅は、一軒家で屋上があるのです。洗濯ものは広く干せるし、涼めそうだし、夜は天体観測できそうだし、読書したり日光を浴びたりといろいろできそうで、すごく贅沢に感じますね。
部屋を通り抜ける風は屋上からきていると気がついて、お布団を持って屋上へ。椅子を並べ布団を敷いて空を見上げます。
なんてうらやましい。
月あかりが、わたしを、町いったいを照らしています。
「夜の空は広々として、世界がどこまでもどこまでもつながっていくのを感じます」
太陽の輝く昼間より、そういう感じになるのはわかるような気がします。たくさんの人が寝ていて静かな夜。自分ひとりしか起きていない。近くには誰もいないけれど、遠くの誰かにおもいをはせる。誰かにきっとおもいが届くような、気持ちがつながるような、そんな夜。夜に情熱的な手紙を書いてしまうの原理ですね。
娘が屋上に出たのに気がついたおかあさんは、コーヒー(かなにか温かい飲みもの)片手に様子を見に来てくれます。そういうのもいいですねえ。
いいですねェ~、わたしなら、ビールをおともにしたいです。夜空を眺めて乾杯、ああ、なんて楽しそう!