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第131回 ルッキオとフリフリ まぐろを知らない猫たち

「ルッキオとフリフリ おおきなすいか」 講談社 2014年発行 36ページ
庄司ナホコ/作

長毛で黒猫のルッキオが兄貴分、白地に黒の斑模様のフリフリが弟分。毎日の食べ物にちょっと事欠く(つまり貧乏な)二匹の猫たちが主人公。のぞみは就職(つまり家猫になる)し、マグロをたべること。
そんな猫たちの物語です。
畑のわきにできた大きな大きなスイカで一儲けしようと、
浜辺に売りに行ったのですが・・誰も買ってくれません。仕方なく持って帰っていると、スイカが坂をゴロゴロ転がりだして・・!?

貧乏な猫という設定に驚きます。すごい想像力ですねえ。
マグロの缶詰を知らない=食べたことがない、というほどの困窮具合に共感してしまい、この二匹がどうにも愛おしくってたまらなくなります。兄貴分として頑張るルッキオにいさんがわたしは好きです。
挿絵がたいへんかわいらしい。
ふたりのおうちの中を眺めてみると、物はたくさんないけれど、壊れた足を修繕したテーブルや繕ったかわいいテーブルクロスで飾られています。ものを大事にして暮らしている生活がひしひしと伝わります。そんな二人がますます愛おしくなります。
続編が2冊でています。
「ルッキオとフリフリ はじめてのクリスマス」「ルッキオとフリフリ おやしきへいく」