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第181回 あおいそらしろいくも

「くもとそらのえほん(PHPにこにこえほん)」 PHP研究所 2019年4月発行 32ページ
五十嵐美和子/作・絵 武田康男/監修

朝、洗濯を干すか干さまいか、空を見て決断しますが、まあたいてい当たりません。今日は一日晴れるであろう!と思っても、お昼を過ぎたら薄曇りになっちゃったりします。洗濯曜日のわたしにとってはちょいとにっくきもの、そんな「雲」が主人公の絵本です。
大きさや広がる形で、呼び名がかわってきます。不思議ねえ。
にゅうどうぐも、わたぐも、ひこうきぐも、うろこぐも、おぼろぐも、あまぐも 虹! ひつじぐも、きりぐも、レンズぐも、すじぐも。

まずは、にゅうどうぐも。高くぐわっと広がって大雨を降らせたり雷ゴロゴロ言わせます。
わたぐも。わたのようにふわっとしたやつです。
あまぐもは、雨をしとしと降らせます。「たんぼや かえるは あめを あびて うれしそう。」雨はやだな、と思ってしまいますが、農家の方や自然の生き物たちにとって有り難いものということも忘れちゃなりませんやね。
雨が止み、雲の切れ間から光が差し込みます。太陽を背中にして空を見上げましょう。虹が見えるかも。(虹って見えると無性にうれしいですよね)街をはなれて山間部へ。山では、山でよく生まれる雲があります。きりぐも。山の上をつよいかぜがびゅーっとふくと、レンズぐもができるんです。
ページをめくると、流れるように場所が移動し、それにつれて雲の形も変わっていくのが楽しいです。
今度のお休み、本は読まずに、空を眺めようかしら?
巻末では、もう少し詳しい解説と雲はどうやってできるのか?の説明があります。
監修の武田康男さんの肩書は「空の探検家」なのです。気象予報士や空の写真家をされています。南極観測越冬隊員なのだそうです。スゴイなあ。

そして、この絵本の雲以外の部分、空の下にも目をちょいっと向けていただければとおもいます。
主人公の雲の邪魔をしないように、でも細やかに描きこまれています。正直言いますと最初は、地面に目がいってしまいました。動物園や遊園地、建物が低くて華やかな遊具はありませんが、美しいです。街の風景は、スカイツリーと東京タワーが頭をのぞかせます。田んぼや川が流れるこの町は、どこかにきっとあると思わせる風景。