「ねえ、おきてる?」 光村教育図書 2011年9月発行 40ページ
 ソフィー・ブラックオール(ブラッコール)/作 もとしたいづみ/訳
 原著「ARE YOU WAKE?」 Sophie Blackall 2011年
ママ! ママったら!
 朝の4時、エドワードの目が覚めてしまいました。また寝つけられたらよかったのですが、エドワードのまぶたはくっつく気配はないようです。隣で眠るお母さんを起こします。うわあ~。。。これは困った状態です。夜に目覚めてしまって退屈で、おかあさんとお話したいのです。
ねえ、おきてる?
  んー・・・・・・おきてない・・・・・。
 なんで おきてないの?
  ねてるから。
 なんで ねてるの?
  まだ よるだからよ。
 なんで まだ よるなの?
  おひさまがでてないでしょ。
 なんで おひさまが でてないの?
  おほしさまが でてるから。
 なんで おほしさまが でてるの?
 よるだから。
 そっか!
エドワードは、おかあさんのまぶたを引っ張ってあけてみたり(この挿絵がすごく面白い!)、上に乗っかって重みをかけたり、「そっか!」と一応の納得をするにもかかわらず、哲学問答みたいな終わりのない質問を延々とくりかえします。苦行です。
 わたしなら、寝なさい! って叱るでしょうねえ・・。おかあさんは、枕で防御しつつも、まったく怒る素振りなく、眠くてちょっと適当ですが、質問にきちんと答えてあげてます。素敵なかあさんですね。この辛抱強さ、見習いたい。
 なんで?なんで?なんでなの?の質問のせいで、覚醒してきたおかあさんの目がだんだんしっかりしてくるところがまたおもしろいです。
 一番すきな色はなあに?っていう話の途中で、エドワードが眠ってしまいます。興が乗ってきたこのタイミングで寝ちゃうの?この置いてきぼり感、寂しすぎるよ~~。
 実際にされちゃうと、うっ とおもうけれど傍で見ている分には、お子さんとお母さんの会話がたまらなく楽しい絵本でした。
ソフィー・ブラッコールさんはほかにも
 「おーい、こちら灯台」灯台は、夜に海をいく船の安全のために灯りをおくります。その灯台を守る役目の灯台守のおはなし。ラストのおーい、に胸にきます「とびきりおいしいデザート」「ベネベントの魔物たち」などの挿絵もたくさんかいておられます。細い線でリアルなちょっと怖い感じという特徴的な美しい挿絵が魅力的。
