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第51回 ひなたぼっこのすばらしさ

「じゃんけんねこ あかね幼年どうわ」 あかね書房 1977年6月発行
佐藤さとる/作 岩村和朗/さしえ

悪そうな笑みをうかべたとらねこのさしえがまたいいのです。

枯れすすきのヤブで、二本足で立って、たっちゃんを通せんぼする、とらねこがいた。

「このやぶに 入ってきたものは おれとじゃんけんしろ」

命令調で怪しいのに、たっちゃんは勝負にのっちゃうんです。負けたら、すぐにでていくこと、勝ったら、お楽しみ。

猫のちょきは、爪が二本、パーは爪が五本、まったくでていなければグーなんです。じゃんけんがすんだあとの、猫のニヤリ、にドキドキします。勝利したたっちゃんへのご褒美は、なんと、猫になってひなたぼっこ。ひなたぼっこのできる原っぱがなくなってしまう、という寂しいラストなのですが、岩村和朗さんの挿絵の光る楽しい絵本でした。猫好きさんには、特におススメいたします。ちなみに、勝ったバージョンのお話と、負けたバージョンのおはなしがあります。負けたバージョンは、「佐藤さとる幼年童話自選集 第2巻」に収録。