なちぐろ堂店主のモットーは「科学に心を開け」なのですが、わたしは科学はちょいと苦手です。ではありますが店主の勧めでわたしも時々SF小説を読むのですが、物理学がでてくるとさっぱりちんぷんかんぷん。SF小説では科学の発達した未来を描いているけれど、人間の感情がなくなることはありませんので、そういうところを楽しんで読んでいるものの、やはり少しは理解したいもの。
ちょっと勉強し直してみよう・・と軽い気持ちで手にとったこの絵本。いやはや、わかりやすく書かれているのです。SF小説をカンペキに理解する、には少し遠くはありますが、とっかかりになります。もっとくわしく知りたい・勉強したいとなりそうです。

「はじめまして量子力学 ふしぎがいっぱいミクロの世界」 化学同人 2020年11月発行 48ページ
ジェダード・カイド=サラーフ・フェロン、エドゥアール・アルタリーバ/著 鈴木真奈美/訳 橋本幸士/監訳者
原著「MY FIRST BOOK OF QUANTUM PHYSICS」 Eduard Altarriba, Sheddad Kaid-Salah Ferron 2017年

「長いあいだ、人びとは、見えるものやさわれるものから世界を理解しようとした。星のことや、世界がどうやってできたかなど、説明できないときには、神話や宗教を使ったよ。」
地球はたいらだと長い間、人びとは考えてきた。地球は丸いということを知らなかった時代があった、というのが最初です。
「感覚だけにたよっていては、世界を理解できないんじゃないか?観察や実験や数学も必要なんじゃないか?」と考えはじめたのは紀元前2世紀のギリシャの哲学者でした。中世の終わりになるとようやく、地球は本当は丸いという説が広がりはじめます。
思いきって全く違う発想をすること・・科学によって世界を理解しはじめたのです。

世界には、様々な物質が存在しています。石、水、本、パソコン、猫や人間といった生き物、光、音、電気、あらゆるものは、ものすごく小さな小さな「粒子」でできています。目では確認できないこの小さな小さなモノ、これを理解するというのが量子力学。小さすぎてこれが何なのか、働きや構造を確認するのも大変で、”光”は特に不思議な動きをするのだそうです。
これまでは「古典物理学」で世界を理解できていたのだけれど、この粒子を理解するために「現代物理学」の考え方が発明されました。

量子力学を理解しやすいよう、年代別ではなく、量子の発見・量子は何で出来ているか・量子の動きかた、という流れで説明されています。反物質、量子もつれ、クォーク、ヒッグス粒子のことも少し。
周期表をものすごく久しぶりに見ましたが懐かしく感じました。覚えるのたいへんだったことを思い出します。うーん、きれいに並んで美しいです。光の動きの不思議さがわかる「ダブルスリットの実験」、そして有名な思考実験「シュレーディンガーの猫」のおはなしが登場したらば、なんだか興奮です。
たくさんの科学者・哲学者の方々の実験に次ぐ実験、考えに考え、あみだされた科学技術(電子レンジ、携帯電話、スマートフォン、IHヒーター、DVDやCDプレイヤー、LEDライトなど)を使わせてもらっている・・とおもうとしみじみ感慨深いです。

ちなみに・・なちぐろ堂店主に絵本を読んでもらった感想ですが、「ぼくはニュートン物理学(古典物理学)から勉強するべき、という保守手的な意見をのべておく」とのことです。    ふーん。
科学って難しそう!という高い壁なんかなんのその、心をまっさらにして、手にとっていただければとおもいます。科学の面白さを感じてください。科学に心を開け!なのです!
さらにかがくを味わう姉妹編「はじめまして相対性理論」もございますよ。

さらにちなみに・・
登場する科学者と発見したこと
万有引力の法則・運動の3法則(アイザック・ニュートン)、エネルギー量子仮説(マックス・プランク)、光の波動説、電磁波の方程式(ジェイムズ・クラーク・マクスウェル)、光子・一般相対性理論(アルベルト・アインシュタイン)、原子の構造(アーネスト・ラザフォード)、周期表(ドミトリー・メンデレーエフ)、ダブルスリットの実験(トーマス・ヤング)、シュレーディンガーの猫(エルヴィン・シュレーディンガー)、不確定性理論(ヴェルナー・ハイゼンベルグ)、放射能の研究(マリー・キュリー)
登場順に記載