虫が苦手です。かさかさ素早く動いたりぷよぷよっとしていたりサナギになって変態するというのがなんだか不思議で・・苦手です。なのですけれど、この絵本は楽しく読めます。見た感じカワイイのもありますが、捕り物帖の名調子が楽しいのです。「がってん しょうち」「ふてえやろうだぜい」「ええい、ごようだ」「さあ、おとなしく お縄をちょうだいしろい」
町並みは江戸時代、虫たちは着物を着ています。着物を着た虫たちがまたかわいらしいのです。なんと、蜘蛛が主役を張ってます。なんと。鬼蜘蛛のあみぞう、こと蜘蛛の巣親分と、はえとりぐもの子分のぴょんきち、というコンビ。驚きです。
「くものすおやぶん とりものちょう」 福音館書店 2005年10月発行 32ページ
秋山あゆ子/作
季節は春。くものす親分と子分のぴょんきちが、桜散る虫の町を見回っているところです。鈴虫の古道具屋、雀蜂のお侍、たがめのぼてふり(魚が売り物)、カブト虫の駕籠かき、せみのてんぷらや・・・ 町並みや町をそぞろ歩きする虫たちをみるのも楽し。町家の間取りもみることができ眺めて楽し。
菓子商の「ありがた屋」(アリのお菓子屋さんです)に、犯行予告が!
「今夜 蔵の中のお菓子をちょうだいする」隠れ羽
隠れ羽(かくればね)とはなにものか?蜘蛛の巣親分はお菓子を守ることができるでしょうか?
蜘蛛らしい必殺技が、しゅぱぱぱぱぱっ。と炸裂!
蜘蛛がヒーロー?、とおもいつつ、楽しい・かっこいい。特に、ハエトリグモのぴょんきちの目がくりくりっとかわいくって好きです。
虫が苦手な方も楽しめる絵本とおもいます。
ちなみに・・・この絵本、人気があるらしく、大型絵本(35.3×50cm!大きい!)にもなってます。たくさんの小さなひとたちと読むときにぴったりの大きさ。
ほかにも、「くものすおやぶん ほとけのさばき」という作品もでています。もっとくものす親分が活躍してくれるとうれしいなあ。
またまたほかにも、「みつばちひめ」シリーズもあります。
著者の秋山亜由子さんは、虫を愛する漫画家だそうです。